2020.02.19最終更新日:2023/10/16

外壁に木材を使う、木の家の外観

木の家の外観

 

家の外観(外壁材)は外から誰でも見られる、家の印象を左右するとても大切な部分です。

 

美しい、あるいは風情ある町並みは一つ一つ違う家の外観が集まって出来るもので、そういう意味でも外観は大切ですね

 

外壁材には窯業系サイディングやガルバリウムなどあるのですが、この記事では木の家の外観に合う、実は耐久性の高い板張りのバリエーションを見ていきたいと思います。

 

木の板は腐るなどの不安材料についても書いてみました

 

本物の木を使った外観は、やはり似せた物にはない質感があります。年月が経つことにより風格や落ち着きが現れます。

 

味のある木の家の外観にしたい、板張りの外壁材の種類など、採用を検討されている方の参考になればと思います。

 

ちなみに上の画像は弊社の施工例で、黒い部分は天竜焼杉、茶色い部分は塗装した杉板です。2階のベージュの部分はそとん壁という塗り壁になります。

外壁に木材を使う:不安な点

この記事では外壁材に使う木について紹介したいのですが、その前に外壁材に木を使うことはリスキーなことなのか、を書いてみたいと思います

木の板の外壁は腐る?カビる?

さて、木の板の外壁と検索すると腐る、カビる、などのネガティブなキーワードが並びます。本当にそうでしょうか?

近所にある寺社を思い浮かべてください。まあまあ古い木の外壁だったりしていませんか?有名どころでは法隆寺や正倉院ですね。

木は腐りさえしなければ、銀色っぽく退色はしてもボロボロになって崩れることはありません。

木が腐るのは腐朽菌という菌が原因です。そして、この菌が活動するには「栄養」「温度」「酸素」「水分」が必要です

栄養、温度、酸素については何ともしがたいですが、水分はコントロールできます

まず、乾燥した材料を使うこと、外壁に直接雨があたりにくいように軒を出すなどですね

水分についてはむしろ、外壁よりも内部の方が問題になります

雨漏りしないこと、見えない部分で湿気が溜まらないことへの対策が必要です

乾燥した材の重要性については下の記事をどうぞ

外壁においてはきちんと乾燥した材を使い、風通しを考えた配置にすることが大切です

木の板の外壁は劣化する?

劣化を性能が落ちることと定義すると

経年変化はありますが経年劣化はありません。性能がほぼ落ちないのです。

見た目はもちろん変化しますが、性能維持のためのメンテナンスは必要ありません

もともと日本の風土によく合っている外壁材なのです。ということは、

家を建てた後にかかるお金が圧倒的に少なくて済むのです。

木の板の外壁は頻繁な塗り替えが必要?

ネットで見ていると数年に1度の塗り替えをしないと劣化して腐る、といったことが書かれていることもあります。

先に書きましたように退色などの変化はありますが、性能自体には変化はありません

ただ、自然塗料系で色を付けている場合はやはり色が褪せてくるので、美観のために再塗装はありますね

ここまでで、何となく木の外壁に不安を感じていた方も、ここからは安心してどんな木の外壁のバリエーションがあるのかを見てくださいね

外壁に木材を使う:ウッドロングエコ(木材防護材塗装)仕上げ

S邸 ウッドロングエコ

ウッドロングエコとは、木材を腐らせる「腐朽菌」を繁殖させない、健康・安全で、自然に優しい木材防護剤です。

防腐剤のように環境に悪いものではなく、土に埋土しても、溶け出すことなく、長期に渡って、効果を発揮することから、欧米では、学校や公園などの公共施設でも実績の高い製品です。

手袋もマスクもなしで施工出来るくらい安全なものですから、親子でウッドデッキを塗るなんてことも出来ますね。

通風と水はけがよければメンテナンスフリーな外壁になります。欧米では100年持つと言われていますが、日本ではまだそこまでの実績は正直ありません。

また、色を付けるものではないので塗る材によって色味の仕上がりに差が出ます。

経年変化の例

8年経過した例です。古びた落ち着きが出てきました。

ここのとらえ方の個人差が大きいです。ご夫婦で喧嘩などにならないように要チェックです!

日光や雨の当たり具合による経年変化で差が出るので好き嫌いの個人差が大きく、築年数の経った施工例の確認が必須です。

外壁に木材を使う:焼杉板仕上げ

O邸 天竜焼杉

上の画像は弊社の施工例です。

焼杉にはバーナー焼きと三角焼きというものがあります。

天竜焼杉様よりお借りしました

上の画像が三角焼の様子です

文字通り焼くことにより表面を炭化させ、「腐朽菌」の繁殖に必要な栄養素などをなくすため外壁に適した材になります。

バーナー焼きよりも三角焼のほうが炭化層が厚く仕上がります。

焼杉のメリットはやはり炭化層にあるので、そういう意味では三角焼のほうが優れていると言えます。ただし見ての通り手間はかかりますね。

経年変化により炭の部分が徐々に落ちてゆき、いずれは本来の木の地色が出てきますが、条件にもよりますが50年ノーメンテナンスの例もあり、30年持つとはよく言われる言葉です。

木の地色が出た部分は適した塗装でメンテナンス出来ます。また、面積が大きい場合は貼り替えも比較的簡単にできるので、やはり長持ちする外壁材と言えると思います。

焼杉も木が経年変化していくものなので、やはり好き嫌いが分かれるところです。

また、焼杉とは簡単に言えば表面が「炭」ですから触れば黒い色が手につきます。ここも採用するかは判断の分かれるところですね。

外壁に木材を使う:塗装杉羽目板

K邸 塗装杉羽目板
I邸 塗装杉羽目板

塗装羽目板の一番の魅力は、好みの色で耐久性を向上させることにあります。

ただし、やはり生地が木ですから経年変化があります。色が退色したりはげた風になります。

もともと好みの色で外観を整えたわけですから、

性能の問題ではなく美観の問題として塗り替えが必要になるかもしれません。

さて、羽目板の種類ですが塗装済みで販売されている羽目板と、自社で塗装する羽目板があります。

弊社も自社で塗装することが多いのですが、使う塗料はいろいろと種類があります。

自然素材系の塗料の種類としては、

オイル系:木の内部に浸透して表面に塗膜を作らないため、美しい木目の質感が浮かび上がり、しっとりとした仕上がり

ワックス系:表面をコーティングして汚れから守る。無塗装のような自然な仕上がり

オイルワックス系:両者を兼ねているものがあり、代表的なメーカーは

弊社ではいろはを使うことが多いです。各メーカーのリンクを貼りました。

経年変化の例

数年経った外観の画像
板貼りの外観の数年経った様子

上の画像の黒い壁の家の4年後の様子です。雨風の当たり具合などにより経年変化の様子も違います。

今現在で8年が経過しましたが、塗り替えは行っていません。

木の外壁と相性が良い塗り壁

H邸 塗装杉板とそとん壁

上は塗装杉羽目板と塗り壁の組み合わせです。

木の家の外観 ウッドロングエコとそとん壁の外壁
O邸 ウッドロングエコとそとん壁

こちらはウッドロングエコと塗り壁の組み合わせで、どちらも「そとん壁」という火山灰由来の材料で出来ている塗り壁になります。

木の外壁と相性が良いガルバリウム

K邸 ガルバリウムと塗装杉板

こちらの画像はガルバリウムの外壁に玄関周りにだけ木を使っています。

どちらかというとガルバリウムの外壁の場合はポイントで塗装杉羽目板を使うと相性が良いようです。

そとん壁にしろガルバリウムにしろ、どちらも無垢の素材、本物の素材同士ということでとても相性が良いです。

日本で一番使われているサイディングについて少し

実は日本の新築のほとんどは安価な窯業系サイディングを使っていると思われます

サイディングは確かに建築コストは安く抑えられても、実は後々にメンテナンス費用が定期的に必要になります。

ここは大事なところで、ほとんどの窯業系サイディングは継ぎ目処理に使うシーリングの耐久性が低く、10年以内に打ち直しが必要です。

2階部分もサイディングで仕上げているでしょうから、足場代だけでも馬鹿になりません。(1回あたり100万円?)

30代で建てて50年住むと考えて4回の打ち直しで400万円以上!!

ただ、最近のサイディングはシーリングレスやシーリング自体が高耐久なものが出ています

もし、あなたの家の外壁仕様がサイディングなら担当者にその辺のことよーく聞いてください。

ここはケチっては絶対いけないところです。

こちらが大手サイデイングメーカーの高性能商品です。

外壁に木材を使う:価格のこと・まとめ

木の外壁は初期費用だけで比べると、安価な窯業系サイディング(低耐久)に比べると高いことは事実です

ですが、今回の外装材(杉)ですが、決して高いとは言えません

実は高耐久のサイディングと比較すれば変わりはありませんし、後々のメンテナンス費用を考えるとむしろ安いくらいです。

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ちょっと横道にそれました。。。

本物の木というだけで内装材にしろ、今回のような外装材にしろ「高そう」と思われる方がホントに多くて残念です。

工事店によって価格の多少の違いはあるでしょうが、あなたの家づくりの外壁材の検討材料に木の外壁も是非加えてみてくださいね。

外壁と合わせて玄関ドアも悩ましいところ。

内装床にはぜひ無垢床材をおススメします!


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