
住宅内での死亡原因のほとんどはヒートショックが原因といわれています。(統計では年間16000人)家族がいつまでも健康で幸せに暮らすためには、どの部屋でも同じ環境(室温)である事と「夏涼しく、冬暖かく過ごせる」ことがとても重要になります。そのためには、冷暖房・換気計画や高い断熱と気密性能が必要となりますが、必要以上に高断熱・高気密にしたり、断熱性能が低いままで能力の大きな冷房・暖房機器を取り付ければ良いという訳ではありません。それではただお金がかかるだけです。地域の環境も含めた家全体でのバランスを考えた計画が必要となります。長く健康に住み続けていただける室内環境と、無理なく暮らせる小さなコスト(=イニシャル・ランニングコスト)を実現させる事が快適に暮らしていける家づくりのポイントの一つです。
快適な暮らしのための省エネ性能
この地域における改正された省エネ基準は(UA値:0.87 ηA値:3.0)、「この基準を満たせば省エネだ!」という事になりますが、実際はこの性能では期待するほどの省エネ効果はありません。また、「冬暖かく、夏涼しい」というほどの断熱性能の家にもならず、一年中快適な室温で暮らす事が出来ず、結果家族の健康にもつながりません。亜熱帯化してきている日本の気候や今後を考え、マルトでは断熱性能はUA値:0.5以下を最低ラインとしています。しかし断熱性能だけで家中を満遍なく心地よい空間にすることは出来るものではありません。空調や換気方式も重要になってきますが、そもそもの家の気密性能が低ければ、どれだけ良い冷暖房機器を入れても意味はありません。
省エネ性能を上げるには、断熱性能・気密性能を上げる事が大前提であり、その性能にあった設備機器・方式の選定をする事で、ランニングコストが安くなり、環境への負荷を減らす事も出来、結果、住む人の健康やヒートショックによる突然の死から守れるという事につながります。何代にも渡り長く生活していただく為にはこの省エネ性能は外せないポイントであり、これからの家づくりにおいては必須の項目となってきます。
UA値とは:外皮平均熱貫流率(W/㎡K)の事。
住宅室内の床、外壁、天井や開口部などを介して外部へ逃げる熱量(熱損失)を外皮(建物を箱と見たてた場合の外側になる部分全部の事)全体の面積で除した値で、値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。UA値が高いだけで快適な家という訳ではありませんが、断熱性能の高さを確認する上での指針になります
ηA値とは:冷房期の平均日射熱取得率のこと。
お客様が目にする事はあまり無い数値ですが、改正された平成25年度の省エネ基準に規定されています。夏期に外皮(屋根・外壁・窓等)から室内に入る日射熱量を数値化したもので、数値が小さければ小さいほど冷房効率が良いということになります。

滋賀県は南部の一部の地域を除き5地域となっており、UA値で0.87、ηA値で3.0以下にする事が求められています。
現在、基準となっている改正省エネ基準は建てる上でのあくまで最低基準であり、実際はこの数値では全くといって良いほど快適な家とはなりません。弊社では全棟長期優良住宅としてはいますが、長期優良住宅の省エネ基準は省エネ等級4と見た目は良いですが、実際は平成11年度の省エネ基準と同等ですので、求める性能が非常に低いので、この基準では全く意味はありません。また、国のエネルギー政策として住宅の省エネ化があり、2030年には全棟がゼロエネルギーとなるよう推し進めており、弊社もZEH工務店として住宅のゼロエネルギー化に取り組んでいますが、こちらの基準でようやく求められるUA値が0.6となりますが、実はこれでも数値としては物足りません。
弊社では、まずUA値を0.5以下、C値(家のスキマを表す数値)を1.0(床面積30坪の家で家中のスキマを合わせて約10センチ角)、まず数値的な性能の確保をしています。これはあくまで机上の計算で出る数値ですので、これを実現するための素材と施工技術がとても重要になります。日々の勉強や情報収集はもちろんの事、現場の施工チェックや気密検査、定期的な施工講習など、様々な角度から技術力の向上を図っています。こうした設計力と施工力を併せ持つからこそ、光熱費が年間で10万円という家づくりが出来ます。
☆☆☆☆☆(最高ランク)を取得出来うる省エネ性能を全棟標準化。
2019年度BELS(☆☆☆☆☆)取得実績57%
2020年度BELS(☆☆☆☆☆)取得実績100%
2021年度BELS(☆☆☆☆☆)取得実績100%
マルトでは「BELS工務店」として今後も全棟取得に取り組んでいきます

自然の力を利用する快適な暮らし
もう一つは自然の力による快適。一方、自然の力による快適性も大切だと考えます。冬の温かい太陽、春・秋の心地良い風、夏の木陰の涼しさ。 自然の力が運んでくれるやわらかい光と風の心地良さは、私たちが説明するまでもなく皆様ご存知のはずです。そこに森の中にいるような無垢の木で囲まれた室内。ここには木のやわらかさ、手触り、木の香りからでる癒し成分が心身の疲れを癒してくれます。自然由来の物に囲まれた空間は五感に伝わる心地よさがあり、どれだけ数字や言葉を並べても説明しきれない「快適」があります。どんなに時代が変わっても、どんなに便利な世の中になってもこの快適は永遠に続くものだと考えています。

快適な暮らし=小さなコスト となります
快適な暮らしを得るためには、高い省エネ性能(高断熱高気密)を有することがまず第一です。そこに見合った設備機器の選定をするのですが、高い断熱性能だと選定する機種も当然能力の小さい物で事足りますので、冬や夏に安い光熱費で家中を快適な温度で保つことが出来ます。 また、自然の力を上手に利用する設計(パッシブデザイン)にする事も、快適で小さなコストで暮らす為には重要です。 事実、マルトの建てる家ではエアコンで家中を温めたり冷やしたりするのですが、年間で10万前後の光熱費に抑えることが出来ます。(暮らし方や大きさなどにより差はあります)
快適には夏も冬も過ごしやすい室温に保たれる快適や、自然の心地よい快適など様々ありますが、どちらの快適もバランスよく設計していけば、お金をそれほどかける事なく”小さなコスト”で暮らしていく事が出来るのです。
ゼロエネルギーハウス(ZEH)への取り組み
ZEHとは住まいの断熱性能・省エネ性能を上げることで消費するエネルギー量(一次消費エネルギー)を減らし、さらに太陽光発電などでエネルギーを創ること(創エネ)で、住まいで使うエネルギーをおおむねゼロにする住宅のことです。
マルトのZEHの目標・実績はこちら
ZEHに限らず、マルトでは現状に満足する事なく学び続け、国や地方自治体からの情報収集も怠る事なく、日々進化していく家づくりをしています。
エネルギーを使わなくする事で地球環境にやさしい暮らしを作る事を目標とし、政府では「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とゼロエネルギー化推進の方向を打ち出しました。マルトでも、再生可能な無垢の木を利用する事で生まれる環境保全への取組みと共に、エネルギーを出来るだけ使わない家作りは、これからの住まい・地球環境・子供達の未来を考えますと、切っても切れない、平行して進めるべき最優先事項と考え、取り組んでいます。
- 2030年に向けてZEH普及目標
- 2016年度目標15% 実績0%
- 2017年度目標20% 実績34%
- 2018年度目標30% 実績22%
- 2019年度目標40% 実績28%
- 2020年度目標55% 実績34%
- 2021年度目標55% 実績50%
- 2025年度目標75%
※ZEH、NearlyZEH含む受注棟数にしめる割合