2021.07.19最終更新日:2021/09/01

無垢床材の無垢の木って、どんな木ですか?

工務店で木の家を建てる仕事をしていると、当たり前に思っていることが案外当たり前ではなかったりするものです。

 

例えば「無垢の木ってどんな木ですか?」こんな質問が普通にYahoo!知恵袋に投稿されています。
また、「チェリー」「ウオールナット」は樹種ではなく色の名前だと思っていた、とは本当に聞いた話です。

 

本物の木を使った家具が欲しい、あるいは家に住みたいなと思っている人が、本物の木に出会えるように「無垢の木」について書いてみたいと思います。

 

先にネタばらしをすると、無垢という種類の木はありませんよ~

無垢とはどんな意味?

無垢をググってみると、仏教用語で煩悩から離れて、けがれが無いこと。

他には潔白で純真なこと、とあります。

純真であることはわかるけれども、大まかすぎてよくわかりませんね。

でも検索結果には無垢木材の特徴とか、無垢フローリングなどの言葉も見えます。

どうやら無垢という言葉は木材によく使われるようですね

 
だから無垢という種類の木があると思う人がいるのでしょうね

では無垢床材の無垢の木とは、どういう意味でしょうか?

無垢の木材とは自然の木からとれる板、建築で言えば柱や床材などのことを総称して言います

なので家具にしろ、建築にしろ何の木の無垢材を使っているか、樹種がさまざまにあります

冒頭で触れました「チェリー」や「ウオールナット」はこの樹種にあたるものです。

じゃ、なぜわざわざ無垢材の家具とか、無垢床材という言葉があるのでしょうか

実は一見無垢の木に見える、でもそうじゃないものがあるんです

床材で言えばそういったものを総称して「複合フローリング」と呼びます

次の章で詳しく見ていきましょう

例えば見分けのつかない木の床材 1

上の写真の床材、どちらもメープルという樹種です

どこが違うのでしょう?

Aは厚みが15ミリある床材で、その厚み全てがメープルからできています

Bは厚みが12ミリある床材で、その厚みのうち1ミリがメープルでできています(下図参照)

こういった板を突き板と呼びます

通常突き板の表面の材の厚み(この場合はメープル)は0.5ミリ前後で仕上げられます

実は突き板の中には表面の本物の木の部分が比較的厚いものもあり、挽き板と呼ばれたりするようです

Aの画像は弊社施工例です

Bの画像はパナソニック様からお借りしました

断面図はikuta様からお借りしました

例えば見分けのつかない木の床材 2

上の写真の床材、どちらも杉という樹種です

さて、何が違うかわかりますか?

Aは弊社施工例、15ミリ厚の杉板です

先ほどまでご紹介した突き板は表面に本物の木が使われていました

が、Bの画像は印刷されたシートが表面に使われています

こういった板をシート貼りと呼びます

Bの画像はパナソニック様からお借りしました

ここまで見てきた無垢床材以外の物を総称して「複合フローリング」と呼びます

無垢床材と複合フローリングを比較しよう

ここまで見てきた床材は写真で見ると、どれが無垢床材でどれが違うのか正直分かりません

そこでこちらでは無垢床材や突き板、シート貼りについていいところ、困ったところを比較してみたいと思います

傷のつきにくさ

無垢床材は樹種によって硬さが全然違います

一般的には針葉樹(杉、桧、パインなど)は柔らかく、広葉樹(オーク、ウオールナット、メープルなど)は硬い性質があります

柔らかいという事は傷がつきやすいという事です

無垢床材でもオークなどは比較的傷がつきにくく、杉やヒノキは傷がつきやすいという事ですね

一方、複合フローリングは表面加工により硬さは違うものの、無垢床材よりは硬く傷はつきにくいでしょう

問題は傷の深さとその後の変化にあると思います

無垢床材は仮に深めの傷がついたとしても、見えているのは本来の材料のままです

傷は年月とともに馴染んでいきますから劣化ではなく、経年変化すると言われます

複合フローリングはいったん深く傷がつき、基材の合板まで達してしまうと合板が見えることになります

またその傷は年月とともに表面がめくれてきたりするため、経年劣化と言われます

汚れのつきにくさ、手入れのしやすさ

複合フローリングでは表面に何らかの加工がしてあるので、汚れが付いたとしても比較的落としやすいと思います

無垢床材は表面の仕上げをどうしたかによって変わるかと思います

無垢床材の仕上げ方法としては、無塗装、オイルなどの木材の内部に浸透して保護する仕上げ、ウレタン塗装などのコーティング系塗装のように表面に硬い塗膜を形成する仕上げがあります

ウレタン塗装にするとかなりお手入れは楽になるかと思いますが、後で触れますが無垢材本来の木の肌触りを大きく損ねてしまいますので基本はおススメしていません

なので無垢床材の場合は汚れが目立ってきたら硬く絞った雑巾で拭く程度でよいと思います

一部分だけひどくシミになったなどという場合は、表面をやすりなどでこすって目立たなくします

しばらくは色の違いが気になるかもですが、そのうち馴染んできます

メンテナンスについては違う機会に記事にしたいと思います

足触りや香り

杉のプリントシート貼りの床材を先ほど見ていただきました

驚くほどそっくりで、画像では専門家でも本物かどうかの判断はつきません

ただ、印刷技術がどんなに発達してもシート貼りと、それ以外の床材で差が出るのはここだと思います

突き板でも表面の加工(塗装)が本来の木の持つ風合いを損ねなければ、足触りは無垢床材と変わらないと思います

傷のつきにくさのところでも触れましたが、柔らかさ=傷がつきやすい のは事実です

でも実はその柔らかさが足触りに大きく関係してきます

さっき、突き板でも表面の加工が本来の木の持つ風合いを損ねなければ、足触りは無垢床材と変わらない、と書きましたがこれは硬い広葉樹の無垢床材に言えることです

針葉樹の杉や桧の無垢床材は確かに傷はつきやすいのですが、足触りは柔らかく温かみもあるので冬でもヒヤッとはしませんし、梅雨時や夏にべたべたする、暑苦しいという事もありません

また、特有の良い香りが家中に漂います

値段はどうなんだろう

皆さんが一般に持っていらっしゃるイメージは

無垢床材は高い!

複合フローリングは偽物なんだし安いでしょ~

なのですが、なかなかそうとも言えません

無垢床材は樹種や巾、厚みによって価格は大きく違ってきます

複合フローリングもしかりで、もちろん安い製品もありますが、高いものも沢山あります

無垢床材より高い複合フローリングは沢山存在するので、思い込みで決めるのではなく、きちんと確認した方がいいでしょう

また、無垢床材の中でも国産の杉やヒノキは比較的リーズナブルで、弊社ではよく使っています

無垢材は狂う?

無垢材でよく言われるのが「狂う」です。

湿気を吸ったり吐いたりする調湿効果があるため、乾燥する冬場には床の木と木の間に隙間が出来たりもします

ただ建築材料に加工される前に十分に乾燥された材料なら、目を覆うようなひどい状態になることはあり得ませんが、無垢材の特徴と捉える気持ちは大切だと思います

合板を基材とする複合フローリングにはこうしたことはありません

無垢床材と複合フローリング、何を選ぶ?

さてここまでいろいろと書いてみたり比較してみたりしましたが、何を選ぶとよいのでしょうか?

私がなんとなく杉や桧の無垢床材を推してるな~、と思われた方もいらっしゃると思います

それは正解です。実際そう思っています。

突き板でも無垢床材の雰囲気は味わえるかもしれませんが、柔らかさや香りは杉やヒノキでないと味わうことは出来ません

経年劣化ではなく経年変化、もっと言うと年月とともに育つのが無垢床材です

ですが、杉や桧の床材が万人に向いているとは決して思ってはいません

そこでちょっと整理してみました

どうしても水拭きお掃除ロボを毎日使いたい方

無垢床材はやめておきましょう

どうしても表面がけば立ってくるのでおススメできません

表面を加工された複合フローリングをおススメします

広葉樹の床材が好きな方

これはもう個人の好みなので私がとやかく言うところではありませんね

広葉樹独特の色味や雰囲気は素敵ですね

ただ、広葉樹の無垢床材は比較的高価なので、予算によっては複合フローリングもアリだと思います

人と違うデザインを楽しみたい方

これももう個人の好みなので、複合フローリングをおススメします

無垢床材ですると高価格になるヘリンボーン柄や、変わった色合いも複合フローリングならば自在です

住まいはデザインだ!という方にはとても楽しい床材です

インディゴブルーの木目柄です!

どうしても傷がつくのが許せない方

硬くて重いものを落としたりしたらどんな床材でも傷はつきます

注意深く丁寧に暮らすことを前提として

広葉樹の無垢床材か突き板をおススメします

ただしこの場合の突き板は、表面の本物の木の部分がなるべく厚いものを選びましょう

通常の突き板やシート貼りは表面が薄すぎて、傷に対するリスクが高いと思うからです

無垢床材のこと、知ってもらえましたか?

木を使った床や家具には無垢の木を使ったものと、そうでないものがあることはお判りいただけたでしょうか

弊社では杉や桧の床材の良さをこれからも発信していきたいなと思いますが、好みや予算に合わせてご自分に合った素材を選んでいただければと思います。

無垢床材についてのブログはこちらもどうぞ


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