2020.01.18最終更新日:2023/10/25

動線から考える間取りの作り方をブログに書いてみた

 

いざ家を建てようと思い立ち、ハウスメーカーなり工務店を訪ねたとしても、どんな家を自分は建てたいのか明確にわかっている人は案外少ないものです。

 

家を建てる内容は多岐にわたり、例えばどんな素材を使ったどんな外観やデザインがいいのか、内装もどんなテイストの内装にしたいのか。

 

見た目だけではありません。

 

家にどんな性能を求めるのか、どんな大きさがいいのか、予算はいくら、などなど考えないといけないことが山積みですね。

 

もちろん建築業者にお任せにしても、打ち合わせからそれなりの家を提案はしてくれるとは思います。

 

でも、せっかく建てる注文住宅だから、いちど自分が求める理想の家を整理してみませんか?

 

その中でも今回は動線から考える間取りについて書いてみたいと思います。

間取りのために、動線と収納を整理してみよう

この記事では動線という軸から間取りを考えてみます

家の中では人と多くはモノも一緒に移動します。

その移動を目的別に整理してみましょう。

その前に、暮らしやすい動線とは?

複雑でないこと。つまり

行き止まりの無いくるくる回れる回遊型や、まっすぐに移動できるストレート型の動線です。

間取りのために、生活動線を検証する

生活動線とはリビングからお風呂に行く、就寝前にトイレに行ってから寝室に行く、などの家の中で行き来のことです。

ここにプラス、モノの移動を考えると、例えばお風呂に行くにはバスタオルやパジャマが必要ですね。

どこでこれらの必要なものを手にしますか?

リビングの中の収納?

自分の個室?

移動途中のどこか?

また、服はどこで脱ぐ?

服を脱いだらどこに集めておく?

洗濯籠?洗濯機の中?

「お風呂に行く」という行動だけでもこれだけの???がでてきますね。

間取りのために、通勤通学準備動線を検証する

生活動線の中でも、これは文字通り学校などへ出かけるため家を出る前の移動のことです。

例えば小学生のお嬢さんは2階の自室から朝降りてきて、食事をとってから制服に着替え、洗面室で身支度を整える。

さて、ここでモノの移動を考えると、パジャマはどこに脱ぎますか?

毎日洗いますか?

制服はどこで着替えますか?

教科書などはどこにありますか?(これは普段どこで勉強しているかにつながりますね)

洗面室で身支度するのに、ドライヤーは使いますか?

もう少しお姉さんになったらお化粧はどこでしますか?

登校前、体操服や雨傘はどこから持ち出しますか?

ここでもたくさんの???が出てきました。

時間帯によっては複数の人(モノ)が同時に移動しますからその辺も考慮するのと、子供についてはある程度将来を見越したいですね。

間取りのために、家事動線を検証する

こちらは誰がいつどんな家事をするかによって大きく変わります。

共働きのご夫婦が朝出勤前に、夫が朝食の用意をしてゴミを出す。

その間妻は洗濯をして干す。

合間に食事をとる。

なんてことになると動線が重なり、通路幅などにも注意が必要です。

出来るだけぶつからない、すれ違える動線を確保したいですね。

帰宅後も、買い物の荷物をキッチンに運ぶ。

洗濯物を取り入れてたたんで片づける。

同時に食事の用意をしながら子供とおしゃべりをする。

といった一連の動作がスムーズに行えるようにしたいものですね。

間取りと収納計画は同時に考える

家を建てようと思い、希望の間取りを思い浮かべたとき

リビングは○○畳以上絶対欲しい!

と言われるお客様はたくさんおられます

でも、ここまで読んでこられたら

そんなに単純には間取りは決められないとわかりますよね

間取りを決めるには大きさももちろん大切ですが、

光や風の入る方向など自然の力を利用する視点と

実際に暮らす人の動きとモノの移動、居場所をよく考えないと

リビングはこんなに広いのに、どうしてランドセルがここに転がっているの?

素敵な洗濯室なのに、どうして玄関から出て干しに行くの?

なんて事になりかねません

せっかくの新築の家なのに、残念過ぎますよね

そうなるくらいなら、2畳分や3畳分を収納に回してでもリビングや洗面室をスッキリ、かつ動線の良い間取りの家にしたいと思いませんか?

そうは言ってもほとんどの方が限られた予算と広さの中での家づくりです。

また、単純に収納をたくさん作ればいいというものでもありません。

そこで効率よく使いやすい間取り=収納計画が必要です。

シューズインクロークのある間取り

F邸

シューズインクロークとは玄関内の土間部分を少し広めにとった土間収納です。

靴の他にもベビーカー、通園バッグや帽子、ゴルフバッグ、自転車など、

外に出しっぱなしはいやだけど、家の中にも持ち込めないモノを収納します。

あるいは外出する際に必ず持って出るモノの収納場所を玄関の出入りの動線上に作ります。

主に先ほどの通勤通学準備動線ですね。

上の写真は手前がお客様用玄関で、奥がクロークになります。

ご主人の趣味が自転車等アウトドアで、壁にフックで引掛けられるように板壁で仕上げました。

広めに空間を取りましたので靴や普段のコートなども納まります。

そのまま家に入ると正面に洗面スペースがあり、手を洗って室内に進むという動線の間取りになっています。

I邸

こちらは右側がお客様用玄関です。

左側の通路に沿って、靴入れ、コート掛け、傘置き、バッグなどなどが収納できます。

棚の奥行は30センチ程度ですがリビングに持ち込みたくないものはここに収まります。

シューズインクロークは各御家庭によって収納したいものが全然違います。

靴程度であれば奥行30センチの棚があれば十分ですからそれほど場所を取りませんが、自転車となるとそれなりの大きさが必要になりますね。

また、持ち込む動線も考えないといけません。

まずはご自分の持ち物の種類を考えて大きさを決めたいですね。

1階にファミリークローゼットのある間取り

板貼りの内装のウオークインクローゼット
モデルハウス

ファミリークローゼットとは、文字通り家族のクローゼットになります。

こちらも各御家庭によって収納するものは変わってきますが、普段着る衣類や持つバッグは最低限収納したいものです。

2階に個室を設ける間取りが多いと思いますが、その個室にクローゼットを作って衣類などを収納する計画にすると、どうしてもモノが2階に上がって行ってくれないことが多いです。

制服や冬の上着、良く持つバッグなどはついついリビングに出っぱなしになります。

2階には寝具類やフォーマルウエアなどをまとめて収納できる小さな納戸的なものがあれば十分でしょう。

ファミリークローゼットに余裕があれば、雛飾りなど季節物で大きなものが収納できると移動距離が短くて便利ですね。

Y邸

上の写真は洗面脱衣室・お風呂に行く動線をファミリークローゼット内に作ることで、ここにタオルや下着類を収納するとストレスなくお風呂に行けますね。

手前がキッチンなので洗濯機までまっすぐ行けるため、料理をしながら洗濯機を回す、といった動作がストレスなく出来そうです。

N邸

上の写真は右奥に見えているのがファミリークローゼットです。

こうした家を出る動線上にクロークを作ると、制服やスーツを脱ぎハンガーに掛け普段着に着替える、バッグを置く、と言った動作がスムーズに行えますね。

また、朝夕の着替えなども移動せずに出来る便利な間取りでもありますね。

クローゼットと玄関はつながっていて、帰宅後は玄関→クローク→リビングという動線で室内に入ります。

これも着替えや荷物を置くといった動作がスムーズに行える間取りです。

関連記事です ↓

ランドリールームのある間取り

共働きで洗濯物を外に干せない。

また、花粉症などで外に干したくない、そういった要望をお持ちの方が多くなっていると感じます。

そうでなくても梅雨時などに、ついついリビングに洗濯物がはためいているなんて光景が目に浮かびます。

せっかく建てる新居なのですから、出来ればそういったことは避けたいですよね。

そこでランドリールームです。

洗濯物干し部屋ですね。

広さに余裕がなければ洗面室を少し大きくして干すスペースを作るとか、

室内干しについては普段外干しの方でも是非考えておかれることをお勧めします。

I邸

上の写真は手前が洗濯機のある洗面室で、奥が洗濯物干しスペース、さらに奥がウッドデッキへとつながります。

外干しまで一直線に進む間取りです。

場合によっては洗面脱衣室はごく小さくして、ランドリールームに洗濯機を置くと省スペースになります。

また、ランドリースペースとファミリークロークが隣接している間取りですと、干す、取り込む、そのまま片付ける、といった一連の流れがスムーズに行えます。

その際はちょっと畳めるようなカウンターでもあるとなお便利ですね。

普段は外干しがメインで緊急避難的に室内干しを考えたい方にお勧めがこちら。

PIDというワイヤー物干しです。

普段はワイヤーは収納されていて、使う時だけ引き出します。

なかなかの優れもので、あまりたわむことなく10キロまで干すことが出来ます。

ただくれぐれも設置場所には気を付けてください。

まともに目に入るリビングの一角などは避けたいところですね。

吹き抜けがある間取りでしたら、2階のホールなどが向いているかもしれません。

間取り=収納計画のまとめ

間取りとはすなわち収納計画であると認識する。

収納はただやたらとつくればいいものではない

使う場所に収納スペースがある、あるいは行動の動線上に収納スペースがあるように間取りは計画する。

モノにはサイズがあり、適正なサイズの(特に奥行)収納にする。

衣類は基本的にハンガー収納にしたほうが畳む手間もなく型崩れしにくい。

最後に通路を利用した、省スペースで大容量の収納をご紹介します。

H邸

玄関ホールの通路です。

H邸

扉を開けるとずらりと棚があります。

土間側は靴収納。

室内側は日用品や保存食のストックに使えます。

棚の奥、扉で隠れている部分はハンガーパイプなのでコートをかけたり、掃除機を建てて収納したり出来ます。

通路を利用した、省スペースな収納ですね。

ハウスメーカーや工務店から出てきた間取り図を、是非こんな視点から見直して設計士さんにご希望を伝えてください。

素敵な家づくりになる事を願っています。

間取りについてはこちらの記事もどうぞ。


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