土間仕上げは何を選ぶ?【実例紹介】
土間仕上げって、どこ? 住宅で土間仕上げの種類を選ぶのは、主に玄関、アプローチ、勝手口、駐車…
私達がお客様とお話しする際に一番最初にする事。
それはヒアリングです。
お客様の要望をまず伺い、それを元にどういう暮らし方が良いのか提案をしていく事になるのですが、そのご要望を聞くと、必ずといって良いほど出てくるご希望が
「ウォークインクローゼット」です。 ※以降WICと表記します
歩いて入るクローク、いや、洋服ダンスならぬ洋服部屋かな?
私がへたくそな説明せずとも、読者の皆様は既にご存知なんではないでしょうか。
それぐらい市民権を得てる部屋だと思います。
ところがこのWICですがイメージだけ先行していて、お客様の生活スタイルだとか家事動線とか考えずに設置されている事が多いのが現実です。
建売系とかハウスメーカー(以降HM)系の図面を見ると必ずといって良いほど2階の寝室の横についてます。
某有名不動産検索サイトにも「WICは寝室の横にあると便利です」と書いてました。
本当にそこにあると便利だと思いますか?
では、どうあると便利なのか、どう間取りに組み込んでいくと良いかを解説します。
こういったブログを書くときにはメリットデメリットに分けて説明する事が多いのですが、今回は非常に難しいです。
後から説明させて頂くWICの特徴を読んで頂くとわかるのですが、ケースによってメリットがデメリットになったり、その逆にもなったりします。
唯一と言っても過言ではないWICのデメリットは、普通のクローゼットと比べたとき同じ量の収納物を入れる時に必要となる面積に大きな違いが出るという所でしょうか。
WICの方がクローゼットより面積を必要としますし、面積がいるという事は建築費がアップする要因になります。
しかしながら、WICならではの使い勝手の良さがあるので、その辺の切り口からお話を進めます。
冒頭でWICとクローゼットの違いに少し触れましたが、ここではもう少し詳しく書いてみます。
上の写真がWIC。下の写真がクローゼット。
WICは文字通り歩いて入る収納部屋で、クローゼットは造り付けの収納スペース、弊社では主にパイプハンガー付きの枕棚を設置します。
一番の違いはクローゼットは奥行きが決まってしまうため、布団とコートを一緒に収納するとなると、布団の奥行きに合わさなくてはいけません。
そのためコートの手前にはデッドスペースが出来てしまいます。
その点WICは布団用の棚、洋服用のハンガーパイプを同じ場所(部屋)で収納できます。
クローゼットは各居室に作りますが、さて、WICはどこに作るのが良いのでしょうか?
パジャマで家の中をうろうろしたくない、されたくない。
起きたらすぐに仕事に出かける服装に着替える
こういう方は寝室横にWICがあるのが正解です。
疲れているからとにかく一度ベッドに横になる。
寝室にカバンを置いてから着替えるのが習慣。
(いないと思いますが)こんな方も寝室横のWICがいいと思います。
何となくおわかり頂けたでしょうか?
つまり、必ずしも寝室の横にある必要はありません。
朝だけを考えるなら寝室横にWICがあると便利かもしれませんが、帰宅時を考えたら寝室の横にある理由は一つもありません。
それよりも、朝も夜も総合的に考えると、1階の玄関近くや洗面近くの方が良いと思いませんか?
よく建売やHMのサイトなんかで見かける、WICが入った間取りはこんな感じでしょう。
2階の寝室からしか入れないようなWICになっていますね。
朝目覚めての行動が上記のような方はこの間取りで良いのですが、皆さんはどうですか?
ちなみに私は朝起きたらそのままパジャマ姿のまま朝食まで終え、歯磨き、洗顔、髪を整えて、さあ出かけるぞの直前に着替えます。
帰宅したらもちろん一番に着替えます。
この間取りだと、朝いちに着替えるか、出勤前に改めて着替えに上がり、帰ってきたらまず2階に上がって着替え、その着替えを持って降りて洗濯室に入れてからリビングにいく事になります。
私にとっても、奥さんの家事動線で見ても、あまり良い動線とは思えません。
まず家族の行動を観察するのが最初です。
さっきと同じで、朝起きてどうする?帰ってきたらすぐ着替える?など確認してみてください。その上で下記内容をチェックしましょう
○家族の動き
ご夫婦それぞれのお仕事は何をされていますか?
製造業だと汚れた作業着で帰って来られる事も
↓
家中歩き廻らないですむような所に、洗濯機とWICが欲しいですね
会社の制服だとかスーツ
↓
朝の準備で汚したりシワになるのも嫌ですから着替えは朝は出勤前、帰宅後すぐに着替えたいのでリビングや玄関近くがベストですね
↓
朝いちに着替えて、夜に風呂に入るまでそのままの格好でも問題ないので、WICの場所は特にここといったことはないでしょう
子供の動き
幼稚園・小学生
↓
泥だらけで帰ってくる事を想定するなら玄関や洗面近くがいいですね。
中・高・大学生
↓
各々の部屋で着替えが一般的ですが、いづれ独立することを考えると家族のWICと一緒でいいでしょう
社会人
↓
夫婦と同じ発想で考えましょう
ご両親は?
お仕事されているなら
↓
夫婦と同じ発想で
すでに隠居生活
↓
WICの場所はともかく1階は必須
WICの設置場所は実は家事目線で考えるのが一番良いのではないかと思っています
それぞれが、自分で服を洗濯室に持っていき、自分で洗濯し、自分で畳んで、自分で片付ける。
こんなお家は、全国的に見ても1%も無いんじゃないでしょうか。
それぞれが、洗濯室に持っていく事はあっても、最後はやはり誰かが(多いのは奥様?)が洗って畳んで片付ける。
先程の間取りを奥様目線(家事動線)で想像してみて下さい。
子供が2階の各部屋で服を脱ぎ散らかしている。
夫婦の着替えは2階のWICにある。
↓
朝起きて、まずは1階で皆の食事や弁当の準備
↓
ひと段落したら、2階に登って洗濯物の回収
↓
洗濯が始まって、干したら出勤
↓
帰ってきて洗濯物を取り込み畳む。
↓
1度では持って上がれないので、何度かに分けて、2階の各部屋へもって上がる。
想像するだけでかなりのストレスではないですか?
家族のWICが、1階の洗濯室の横にあったらどれだけ便利な事でしょう。
理想は”1階に家族で使うWICを設置”が一番だと思います。
そこに洗濯室が併設されており、洗濯干し場やランドリールームも近くにあればなおいいと思います。
花粉などの家への進入を出来るだけ防ぎたい方なら、玄関近くに設置しすぐに着替えが出来るのも良いと思います。
恐らく洗濯機がある近くには洗面化粧台などもあるでしょうから、帰宅時に一番に手を洗うなど出来ますので衛生面的にも良いです。
しかしながら、、、
WICは同じ収納力なら面積が大きくなるというデメリットを最初にも言いましたが、その問題が大きく影響するのが1階設置です。
一般的に1階には、LDK、和室、玄関、お風呂、洗面脱衣などたくさんの部屋が必要になります。
逆に2階には、寝室と子供室程度ですから、2階は面積的に余裕が出来ます。
過去のブログでも何度か説明しましたが、基本的に1階の面積が大きくなればなるほど家の価格は上がってきます。
平屋が贅沢と言われるのはこういう点からなんですね
という事で、弊社のおすすめする寝室とWICの配置を下記に書きます。
予算だったり、敷地の大きさだったり、使い勝手だったりでチョイスは変わってきますが、お読みの皆様の状況に応じて考えて見て下さい
使い勝手や老後の事を考えると、平屋がベスト
↓
敷地面積や予算的に厳しい
1階に寝室を持ってきて、できれば家族のWICを1階に設置
↓
それでもまだ厳しい
WICを夫婦専用にして小さくし、子供は各部屋もしくは2階に子供用WICを設置
↓
もしくは
寝室を2階に上げて、家族のWICを1階に設置
↓
そもそも家族のWICは考えてない
夫婦のWICを1階に設置し、寝室と子供室を2階にし子供には洗濯物を持って降りるよう教育
↓
それでも敷地・予算的に厳しい場合は
全て2階に配置し、出来るだけ階段に近い場所にWICを設置する。
このような感じで考えて頂けば良いかと思います。
ここで注意点!
先にも言いましたが、基本的に設置場所は家事目線が正解だと思いますので、寝室の位置よりも洗濯室やLDKや玄関との相関関係が重要です。
例えば、2階リビングのお家で、お風呂や洗濯室も2階にあって、洗濯干し用のバルコニーが2階にあるなら、間違いなく2階設置の方が良いです。
また、2階リビングであっても、寝室や子供室を1階にし、洗濯室も1階になるようなら、これは1階の方が良いですね。
「1階に設置すれば良いのか」と思って設置したら、洗濯する場所も干す場所も全てが2階ならば1階は逆に使いにくくなりますからデメリットになります。
他の逆転するポイントと言いますと
〇WICは同じ面積では収納力がクローゼットに比べて落ちますが、家族のWICにすれば家事動線はラクになります。
〇家族のWICは集約出来て家事動線はラクですが、着替えると言う意味での家族のプライバシーはほぼありません
〇各室のクローゼットはプライバシーは守れますが、奥様の仕事は増える可能性が高いですし、子供が出たあとは使い道が?です。
〇洗濯場に近いWICは家事にとってはラクですが、干し場が遠かったり、憩いの場であるリビングから遠いと洗濯時以外は家事ラクにはなりません。
〇収納力が若干落ちるとはいえ、少し大きめのWICが造れると、衣服だけでなくカバンやフトンや季節物など全てが仕舞え、その他の収納が少なくすみ、スッキリとした間取りになります。
つまり、、、
WICは単体で考える部屋では無いという事です。
家族の暮らしに複雑に関係してきます。
単に着替えをする場所と捉えない方が良いですし、流行っているから採用しようってものでもありません
クローゼットもそうですが、各自の部屋に収納があるのが普通と思われている方が多いですし、そういう作り方を我々の業界が提案してきたのですが、決して間違いではないものの、正解でもないのです。
家族の動き、その家のやり方、それと一番大事な家事動線を考えながら、他の部屋との繋がりや一番使い勝手の良い配置を考えながら検討する事が重要です。
関連ブログはこちら
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建てる時には教えてくれないこともあります。
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