2018.08.25最終更新日:2023/10/20

ハウスメーカーと工務店 依頼先を間違えていませんか?

 

家を建てようと思った時、これだけスマホが普及しているので、検索をすれば依頼先はいくつでも出てきます。でも、何を基準にどこを選べばいいのかがわからないのが現状かと思います

家を建てるのは建築会社と建てるお施主様との相性が大切です

この記事ではあなたがどの依頼先に向いているのか、判断の材料になるようにしたいと思います

簡潔に結論を書いてしまうと、

●既製品の美しさや大手の安心感が欲しい方は『ハウスメーカー』

●こだわりも暮らしやすさも安心も欲しい方は『地場の工務店』

タイトルには出しませんでしたが、他にもあります

●その建築家の建てた家が好きで、暮らし方にも共鳴できる方は『設計事務所』

●とりあえず安く家が欲しい方はローコスト系の工務店。『ビルダー』

これらをデメリットも含めて詳しく見ていきましょう

家を建てるならどこに頼む?ハウスメーカーの場合

家を建てるならハウスメーカー
積水ハウス様よりお借りしました

ハウスメーカーが得意な事

「家が欲しいなぁ」と漠然と思った大半の普通の人は、家を建てる=ハウスメーカーなのではないでしょうか?

TVコマーシャルも打てる潤沢な資金を持つ大手の会社が多く、住宅総合展示場にはほとんどのハウスメーカーがモデルハウスを出店しています。

滋賀県でも大津・草津・守山・近江八幡・彦根・長浜に総合展示場があり、ほとんどの商圏をカバーしていますので、いつでもモデルハウスを見学することができ、すぐに実物を確認できるという点では一番てっとり早くイメージをつかみやすいのではないかと思います。

特徴としては、日本全国一律の仕様(地域によって断熱性能の違い等はありますが)にすることにより、とことん効率化をはかり、どの地域で建てても仕上りにほとんど差のない建物ができます。

各ハウスメーカーや工法によっても異なりますが、工場で8割方完成させているハウスメーカもあるので、建物完成までの工期が2か月弱という、とてつもなく短い工期を謳っているハウスメーカーもあります。

モデルハウスに行くと、『接客』の研修を受けたプロの営業マンが出迎えてくれ、自社商品の優れている点をキッチリと説明し、家を建てる上で最も気になるであろうお金の話にも詳しく、その時点での金利の動向や、金融機関の特徴等も把握しているので、建物本体以外の部分でも助かる存在です。

また、どのハウスメーカーも保証やメンテナンスはキッチリとしていますし、誰でも名前を知っている大手企業という『安心感』で契約した、という人は少なくありません。

ハウスメーカーが不得意な事

総合展示場へ行き、モデルハウスが気に入ったとしても、それはいわゆる『オプション』の塊りで、かなりの高額商品という事になります。

効率化を図り工業化製品(規格化住宅)とした事で比較的家自体は安くできていますが、常設モデルハウスの出店や広告宣伝にはかなりの金額がかかっており、数年前のデータで、受注平均坪単価が80万円を超えていたハウスメーカーがありました。(注2022年追記・この記事の頃よりウッドショックなどの要因で3割以上価格が上がっているというデータがあります)

最高金額じゃなく平均金額ですから、安くないことはわかって頂けるかと思います。

効率化を図っている為、標準(規格)から外れるとかなり高額になると思われ、プラン上の寸法制限やきめ細かな仕様への対応が難しいという事があります。仕上げも設備機器も選択肢は少ないと思って間違いありません。

逆に担当の営業のセンスや熱量で家の出来上がりが変わると思います。例えば床材を標準のフローリングから無垢の杉材に変更したいと言ったとき、営業さんのやる気で可能になる場合もあるそうです。

家を建てるならどこに頼む?設計事務所(建築家)の場合

家を建てるなら設計事務所

設計事務所が得意な事

家を建てると考え始めて、あまり一般的ではないかもしれないのが設計事務所に依頼でしょうか。

得意な事はなんと言っても、素材使いにしてもデザインにしても個性的でおしゃれな建物が多いことです。

いわゆる『注文住宅』ですが、全てにおいてお客様が注文したように設計するという感じではありません。

もちろんお客様の要望をベースにはしますが、その設計をする人の感性であったり、独自のデザインや美意識で、設計者のカラーが前面に出た形となる事が多いです。

また造り付け家具の考案やデザインまで、家全体のイメージをトータルで考えてもらえるので、クオリティの高い家になります。

依頼する内容は設計と監理業務(現場管理)というのがほとんどで、建築は設計者とは別に地場の工務店に発注します。

実際に図面通りに住宅が作られているかどうかは一般の人ではわかりませんが、設計者が建築のプロとして第3者の目で建築途中を確認してくれるという安心があります。

自分の感性と合う設計者と出会えるかどうかが大きなポイントですが、そういう設計者と建てる家は満足いく住まいになるのではないでしょうか。

設計事務所が不得意な事

気を付けたいのは、その住まいの良し悪しが設計者の能力により決定されるという事です。

過去の設計事例など、写真を見ただけでデザイン以外の能力を判断する事は非常に難しいと思います。

また、表現は適切でないかもしれませんが、自分の事を『建築家』という設計者は『お客様の家』であっても『自分の作品』と思う人がいるのは事実です。

お客様の予算を超えるような設計であっても、デザイン上仕様は変えられないと設計者が決めてしまう事は、ままあります。

また、発注者である施主がコンセントの位置一つ変更を依頼しても、聞き入れられないというのも本当にあった話です。

お客様の家であることや予算よりも自分の作品である事を優先するのですね。(全員ではないと思います)

また、一般的には設計料が高額になる事が多いのと、設計者によって気密断熱や耐震、などの性能に関する能力に差がある事に注意が必要です。

家を建てるならどこに頼む?工務店の場合

M邸 杉の天井や桧の床といった、木を使ったリビング

工務店とは?

得意な事の前に「工務店」の定義、この説明が最も難しいのです。

先に述べたハウスメーカーや設計事務所の下請け仕事(建築施工)をするのも「工務店」。

設計事務所も含めた設計施工を全て行うのも「工務店」。(弊社はここです)

一人親方というひとりで大工さんをしているところでも「工務店」です。

これらは総称すると「地場の工務店」でしょうか。

紛らわしいのは「工務店」と社名にありながら、全国で年間数百棟も家を建てているパワービルダーと言われる会社もあります。

「ビルダー」も工務店ではありますが、営業手法や仕様は大手ハウスメーカーに近く、標準仕様というものを決めて大量に仕入れることで仕入単価を安くし、契約までの過程(打ち合わせなど)を簡素化した上で比較的安く提供している会社が多いと思います。

どこかで見たり聞いたりしたことがあるかと思いますが「ローコスト住宅」という文字がどこかに入っていると、大抵は「ビルダー」と呼ばれる会社です。

日本の戸建住宅を建てている割合としては、日本全国にモデルハウスを持っている大手ハウスメーカーと年間何百棟と建てているビルダーを合わせても3、4割で、実は残りの6割以上は地場の工務店が建てています。

それだけの数の工務店が存在する訳で、能力の差が一番でるのが地場の工務店かもしれません。

地場の工務店の得意なこと

さて、地場の工務店の得意としているのは、その地域の特性を熟知しているという事です。

例えば弊社のある滋賀県でいうならば、北部では隣地との距離が建築基準法上はOKでも、落雪の事を考え、もう少し離すとか雪止めの設置を提案するとか、そういったことは地場の工務店ならではです。

設計の自由度も高く、お客様の要望をしっかりとプランに反映させている工務店はたくさんあります。

また、何かイレギュラーな事が起こった場合でも、あまり大きくない会社が多いので、意思決定に時間がかかりません。

担当者にしてもハウスメーカーの営業マンは転勤があるのでもういませんという事が起こりますが、地場の工務店ではその担当者が退社しない限りは必ずいます。

少なくとも、その会社が存続してきた年数だけ、その地域で信頼されてきたという実績がある事になります。

工務店の不得意なこと、見分け方

不得意な事とと言うよりは、地場の工務店で注意するべき点でしょうか。

住宅建築に関する法律は色々なものが毎年のように変わっていますが、会社の規模は小さくても、大手ハウスメーカーの対応・性能と遜色ない工務店がある一方で、その情報収集が出来ている工務店は実はあまり多くありません。

今や当たり前のようになってきた、長期優良住宅の仕様を一度も作っていない工務店はまだたくさんありますし、断熱性能の基準として住宅にも適用されたBELS(ベルス・建築物省エネルギー性能表示制度)に至っては、その言葉さえ知らない工務店もあります。

また、国が定めた耐震の基準として、耐震等級1、2、3がありますが、等級1が建築基準法で定められた最低基準。

等級2はその1.25倍、等級3は等級1の1.5倍の耐震性能で、数値だけ聞くとそんなに差は無いのかと思いがちですが、等級2と3はともかく、等級1と等級2には大きな差があります。

等級2の基準を満たす根拠となる計算が全く異なるのです。

ちなみに長期優良住宅は等級2以上を求められます。

それを知識のない工務店は、建築基準法の基準で出した数値(例えば壁量等)の1.25倍にすれば耐震等級2相当です、と説明したりしますが大きな間違いです。

家を建てるなら、あなたに向いている依頼先はどこ?

ここまででなんとなくそれぞれの特徴はお分かりになったでしょうか。

ハウスメーカーは価格的には高めではありますが、性能や制度のことはよくわかっているでしょうし、説明も丁寧だと思います。

モデルハウスの豪華さと現実をごっちゃにさえしなければ、建材系の材料で出来たきれいな家が建つと思います。

設計事務所の一番のポイントはその建築家が建てた家が好きかどうかで、また得意なテイストや素材もあると思うのでその辺も要チェックですね。

施工に関しては実際の建築を請け負う工務店を調べるのがいいでしょう。

あと、予算も余裕がある方がベターでしょう。

最後の工務店ですが、これは自分のこだわりとベストマッチの工務店を探すことが全てです。

工務店と一口に言っても先にお話ししたように、性能に強いところ、材料にこだわるところ、価格が安いところ、設計が得意なところ、などなど様々です。

ちなみにマルトは国産の無垢の木や自然素材にこだわりがあり、耐震や気密断熱にも力を入れています。そういったところにこだわっておられるお客様とお出会いしたいですね。

●あまり家に対するこだわりがなく、きれいな家と大手の安心感が欲しい方はハウスメーカー。

●その建築家の建てた家が好きで、暮らし方にも共鳴できる方は設計事務所。

●とりあえず安く家が欲しい方はローコスト系の工務店。『ビルダー』

●こだわりも暮らしやすさも安心も欲しい方は『地場の工務店』(選ぶ目が大切です)

大まかに言ってこんなふうになるかと思います。

追記・2021年は工務店の岐路の年になるかも

2021年1月25日追記です

家が欲しい人の99パーセントは(統計取ったわけではないけど)

なるべく安く建てたい

冬暖かくて夏涼しい家が欲しい

維持管理にお金を掛けたくない

と思っているはず、と勝手に思っています。

その上でデザインであったり、素材であったり、考え方であったりが自分の好みにあう建築先を選ぶことになると思います。

ところが地場の工務店は会社の規模も雰囲気も能力もこだわりもまるで違います。

また、規模の小さい工務店ほど発信力が弱い場合が多く、どんなに良い仕事をしていても見つけることが困難です。

そうしたこともあって今まではどの工務店を選べば自分に合った家が建てられるのかがわからず、依頼先探しがなかなか難しい問題でした。

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10年後、20年後に何百万とコストのかかる家になっていたら?

残念ながらそういったことが実際にあるのです

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