2018.02.27最終更新日:2020/08/26

工務店の選び方のポイントに丁寧な対応があります

先日HPから資料請求をして頂いたお客様からの質問に答えた、弊社のお客様担当の澤田の返信です。

工務店としてのマルトの考え方などがよく表れていると思い、こちらに掲載することにしました。

工務店としてお客様のために木を選ぶ基準

〇〇 〇〇 様

こんにちは。マルトの澤田です。

送付しました資料にお目を通して頂けたようでありがとうございました。

早速ですが、ご質問に回答させて頂きます。

工務店冥利に尽きる!?ご質問を頂きましたので、長文になりますがご容赦下さい。


構造材で貴社が最も良いと考える材料は何でしょうか。こだわりも合わせてお伺いできると幸いです。

 理想を言えばキリがありませんが、現在使っております構造材は梁材:杉、土台・柱材:桧 でこれが、環境・強度・価格等、総合的に見てベストであると考えております。

先ほど「理想」と書きましたが、梁材などは杉ではなく松や桧が理想なのですが、地松(地元で取れる松と考えて下さい)はまず絶対的な数量が無く、また乾燥レベル・価格を杉に合わす事は難しく、桧も材は乾燥は問題ありませんが、梁のような大きな材料に使うには価格が合いません。


後でも述べますが、材の乾燥は非常に重要です。

切ったばかりのグリーン材では建築後のソリやワレで建物に見た目も含めて生活上支障をきたす恐れがあります。

今現在使っております熊野の杉・桧、尾鷲の桧は、九州ほど温暖な地域ではなく、私達の地域ほど寒くない、また年間の日照時間が長い為、丁度良い温かさがある地域でして、これが良材を生む土壌にもなっております。

一般論になりますが、温暖すぎると育ちすぎて目の細かな材が出来ず、寒すぎると成長が遅く細い材になります。


そういった事から、林業としてしっかりと管理された山師がおり、その木を活かす製材力をもつ製材所がある熊野材を利用しお客様にもオススメしております。


残念ながら、滋賀県の木はそもそも産地では無いという事もあり、山の管理が行き届いておらず、山から出てくる木は、熊野に比べ質が良くないものが多く、価格が高いという現状があり、滋賀県産にこだわる工務店であるという事を売りにするのも経営戦略上はアリなのですが、それは建てるお客様にとって本当に良い事なのか?と考えた時に、滋賀県産は構造上影響のない部分に採用する形をとり、大事な部分は良材で建てるという方針にしております。


もちろん、熊野よりも良い材を入れてくれる産地があれば今後変更していく可能性もあります。

工務店としてお客様のためにメリットとデメリットのバランスを見る

木材を最初高温乾燥されているとのことですが、その時点で木材の良い部分(香りなど)が劣化する可能性について、貴社ではどのようにお考えでしょうか。

 正直なところ、香りの劣化は否めません。

まったく無くなる訳ではありませんが、天然乾燥に比べると香りには差が出ます。

粘りが無くなると言われる事もありますが、現在の建築は大地震にも耐えられる耐震性能を持たす事で、長く持つ・家族の安全を守るという家造りが主流となっており、弊社もその考え方を参考にし、動かない・強固な家造りを進めておりますので、粘りはあまり関係が無いと考えております。

家が揺れる事で地震力を逃がす伝統工法ならば粘りは重要だと思いますが、東北や熊本の震災での実情を当社なりに検討しますと(お寺や門が倒れたり、耐震等級2の家でも住めなくなった家がある)耐震性能を等級3にあげる事が必然であると考えております。

乾燥には様々な考え方があります。

恐らく正解は無いと思います。

正解があればこんなに世の中に様々な乾燥工法は出てこないと思います。

各々が各々のスタンスで乾燥方法をチョイスしお客様に提案しているのが、今の工務店の現状だと思います。

天然乾燥だけですと、どうしても含水率のコントロールが難しく、材料に乾燥のムラが出来てしまい、建物建築後数年すると、どこかに乾燥による収縮やワレ・ソリの影響が出てきます。含水計などで測るとよくわかります。


一度高温乾燥する事で、構造材内部の不要な汚れや水分を均一に出し切り、そこから天然乾燥でじっくりバランスのとれた水分状態にもっていく事で、建築後のワレ・ソリによる問題を減らす事が出来ております。


天然乾燥材で何度も建築してきましたし、今やれと言われても当然材料も揃えられますし、建てる事も問題ありませんが、やはり、様々な問題が出る可能性が高い事をお施主様に説明させて頂く事になります。


いつまでも長く快適に暮らして頂くという住まいづくりを考えた中で、自然素材である事・構造的な強さを持つ事・メンテナンスが少なく済む事など総合的な判断から今の乾燥方法にしております。

小さな工務店だからこそデータの裏づけ

Ua値やC値の実績はどの程度でしょうか。また、断熱性や気密性にこだわってご対応いただいた場合、どの程度まで改善される見込みでしょうか。

 基本仕様に書かせて頂いておりますが、いつでも2030年仕様になっても良いようにUa値は0.6以下が基本です。

しかし、実際はもっと性能を上げておりまして、HEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)という団体が規定している断熱性能のG1レベルをクリアした0.45、0.46が平均的な数値です。

ちなみに〇〇様がお住まいの〇〇市は私共多賀とちがって温暖地扱いになりますので、そちらで建築と考えると弊社の断熱仕様ですとG1より上のランクであるG2レベルまであがります

もっと上のレベルをご希望されるなら、弊社は内断熱を採用させて頂いておりますので、これ以上壁に断熱材を入れる事は出来ませんので、外部側にもう一層の断熱材を付ける、付加断熱という方法を取らせて頂きます。

その際にはUa値は0.3以上の性能にもってこれますので、北海道・東北地方のZEH基準にする事も出来ます。

C値は建ててからの計測でして、全棟している訳ではありません。

お客様からご要望があれば有料になりますが計測しております。

現在の工法になってから数棟C値を測定しましたが、一番低い家で0.2、高い家で0.9、平均しますと0.5前後を出しております。

こちらはあえて表記はしておりませんが弊社基準としては1.0以下としております。

なるべく安価に安心で安全な長く暮らせる家を建てる

断熱材や外壁材に対するこだわりをお伺いできますでしょうか。

 断熱材は施工が命と考えております。

どんない良い材を使っても施工がいい加減では、計算された断熱性能も気密性能も出ません。

断熱性能が高いからといって何でもかんでも高いのを使うのもどうかと考えております。

確実な施工と高い性能と価格。

その事から基本はグラスウールを採用しております。

残念ながらグラスウールをネットで検索して頂くと、あまりよろしくない情報ばかり上がってきます。

湿気を含んでカビが発生していたり、水分で重くなり壁下までずり落ちてたり、そもそもしっかり入って無かったり・・・ 

どんなに良い断熱材でもこれでは効果ありません。

断熱材の重要さをより深く知る機会があり、その頃より断熱材の施工方法にはより厳しい検査と正しい施工方法をする事を現場に義務付け、不定期ではありますが、現場作業員や監督、新規業者に向けての現場勉強会も開催し、より確かな施工をしております。

「論より証拠」ではありませんが施工中を見て頂けば恐らく納得頂けるとおもいますので、ご興味あればご案内させて頂く事も可能です。

しっかりした施工さえすれば、これほど安価でこれほど性能の高い断熱材はありませんので、弊社はグラスウールを標準としております。 

それでも、お客様によってはグラスウールに良いイメージをお持ちでない方もいらっしゃいますので、ウレタン系の吹き付けやセルロースファイバーの吹き付けをご提案する事もあります。

〇〇様にこだわりがおありでしたら、どうぞお気軽にご相談下さい。

外壁材のこだわりは、構造材・内装材の流れと同じで木と土を基本としております。

無垢の木の外装材は、基材となる木は杉赤です。

杉の赤身の部分(木の中心部)の事で、芯材は腐りに強い成分を保有しており、木の中では成長が止まった部分になりますので養分を吸い上げる導管が閉じる事で耐水性も高くなります。

中心より外の辺材(私達はシラタといいます)は水に弱く腐りやすいので外部には採用しません。

とはいえ、木も万能ではありません。

雨風にさらされ、夏の日射しをモロにうける南・西面では劣化は早く、塗装品ですと早ければ5年もすると表面の塗膜がはがれてきます。

はがれた部分は木の素地ですから、それが退色・変色し、悪く言えば「すたれてきた」イメージになります。 

逆にこれを「木の良さ」と感じるお客様にとっては、シルバーグレーに変色した外観を「古美(ふるび)のあじわい」と捉えて下さいますので、そういうお客様にとっては30~50年はノーメンテナンスでいける最高の外壁材になります。


事実、現在は上記の杉赤の外装材にウッドロングエコという、表面を酸化させる事で耐久性を上げる塗料を塗布した外壁材をオススメしております。

見た目は早い段階でシルバーグレーに変色しますが、耐久性能はノーメンテナンスで70年といわれています。※写真を添付しています

また、土についてはそとん壁の採用をオススメしております。

そとん壁は九州南部のシラス台地から取れるシラスで造られる100%自然素材で、無機質なセラミックですから、汚れや退色に強く、特異な土質から外からの水分は遮断し、中からの湿気は出すという性質を持っております。

それと、やはり鉄や塗装では出せない本物の土の質感も大事な要素だと考え採用しています。

両材とも良い所を中心に書かせて頂きましたが、外壁材にもパーフェクトな答えは無いと思っております。

木のキライな方には「古美の味わい」は絶対理解できませんし、土のぬくもりよりガルバの無機質感を好まれるお客様もいらっしゃいます。

私共がお勧めするのは先の2素材ですが、これもお客様の御要望に応じて、ガルバやサイディングなども採用させて頂いております。

弊社では、外壁材だけでなく全ての素材や工法において、良い点・悪い点をお伝えしつつ、なぜその上でその材や工法を採用しているのかを説明し、納得頂いた上で採用させて頂いております。

よく、自社の施工した物件を「作品集」と表現される会社さんがいらっしゃいますが、それは大きな間違いであると思っております。

そもそも家は作品ではありませんし、自分のお金で建てたなら作品でもかまいませんが、御施主様からお金を頂いた上で建てた物が作品な訳ありませんよね。

ですので、最終的にはお客様にとって一番好きな形でご提案・建築させて頂く事が本当の意味での「良い家づくり」だと思っております。

本当に長文失礼しました。たった4つの質問ではありましたが、その質問内容は弊社の考え方を含めた大変奥深い意味のある質問内容でしたので、今弊社の考えている事を漏らさず説明させて頂きました

ご検討よろしくお願い致します。

お客様担当 澤田 藤司徳(さわだ としのり)

注 2018年2月の記事のため、書かれている内容もその当時のものになります。

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