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工務店としての日々の仕事の中から、「これは家を建てる前に是非知っておいて欲しい」という
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家を建てる前に読みたいお話
2020.02.13

ベタ基礎だからと安心できない 布基礎との比較 動画あり

基礎工事の重要性を認識しよう

出来上がってしまったら見えない基礎工事

そもそも基礎工事は何の為にするか?

『基礎』を辞書で調べると、

その上に建物を建てたり大きな装置を設置したりするために据える土台。いしずえ。

建造物や構造物の自重による荷重や、地震や風によって加わる水平方向の荷重を最下部で支持し地盤に伝える部分。物事の根幹となる物。基本。

というように書かれている通り、いくら建物を頑丈に作っても、基礎がいい加減なものではその強度を保てません。しっかりした基礎無しでは大事な生命財産を守れません。

ベタ基礎と布基礎の違いは何?

上の写真、実はベタ基礎と布基礎です。

どっちがどっちかわかりますか?わかりませんね。

正解は上がベタ基礎で、下が布基礎です。

このように出来上がってしまうとなかなか分かりにくいものですし、仕様の違いも見えませんね。

写真を使ってそれぞれの違いと特徴を説明したいと思います。

ベタ基礎とは

ベタ基礎

上の写真のように建物の部分全面を鉄筋コンクリートの底板(ベース)で支えるものです。

住宅の重みを面で受け止めるため、荷重を分散しやすく耐震性が高くなります。

布基礎とは

布基礎は上の写真のように建物を支えるのは立ち上がっている部分のみになります。鉄筋もこの部分にのみしか入りません。点で支える構造になります。

このあと立上り部分以外の地面に防水シートを敷き、その上からコンクリートを打設します。

出来上がると最初にお見せしたような、ベタ基礎と変わらない見た目になります。

ベタ基礎に比べ一番のメリットはコストです。

使用する鉄筋などが少ないため、コスト安につながります。

ベタ基礎に比べて布基礎はまるでダメなのか?

ではベタ基礎に比べ布基礎はまるでダメかというと、そうも言いきれません。

確かに耐震性はベタ基礎のほうが有利ですが、そもそも耐震性は基礎だけで決まるわけではなく、地盤と基礎と構造の3つの要素で決まるのです。

もともとの地盤が強固であれば何ら布基礎でも問題はありません。(いろいろ注意点がありますがここでは割愛します)

ベタ基礎ならばそれで安心?

実はセールストークで「うちはベタ基礎だから安心ですよ!!」という建築会社が割とあります。

もちろん間違いばかりではありませんが、怪しいのが混じっているのも本当です。

地盤調査で得た地耐力

建設省告示第1347号 第1項

地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度が

・20KN/?未満  基礎ぐいを用いた構造

・20KN/?以上30KN/?未満  基礎ぐいを用いた構造またはベタ基礎

・30KN/?以上  基礎ぐいを用いた構造、ベタ基礎又は布基礎

難しい日本語ですね?!!

地耐力。これは地盤が重みに耐えられる強さや地盤沈下に対してどの程度の抵抗力があるかを示す指標です。数値が大きいほど強い地盤になります。(基礎ぐいは高層マンションなどの施工なので今回関係ないので無視してください)

ベタ基礎の規定

建設省告示第1347号 第3項抜粋

立上り部分の厚さ 12cm以上

主筋径12mm以上の異形鉄筋を上端と下部の底板に配置し補強筋と緊結

立上りの補強筋は径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で縦に配置

底板部分の厚さ  12cm以上

底板の補強筋 径9mm以上の鉄筋を縦横に30cm以下に配置

シュミレーション

仮にある土地の地盤調査をして25KN/?という地耐力が出た場合、ベタ基礎ならばOKということになり、ベタ基礎の規定にある仕様ならば大丈夫です、という解釈になります。

ですが、基礎の仕様を※許容応力度計算ではじき出すと、全くそのような仕様ではダメということがあるのです。

※許容応力度計算・・・構造計算の1種です。より簡単な壁量計算という方法もあります。

以下の画像は許容応力度計算をもとに作られた「基礎伏せ図」と「断面図」になります。

断面図からお分かりいただけるでしょうか?

先ほどの国の定めるベタ基礎の規定と照らし合わせると、

立上り部分の厚さ 規定では12cm以上 → 計算からは15cm必要

規定では主筋径12mm以上の異形鉄筋を上端と下部の底板に配置し補強筋と緊結 → 計算からは径13mmの異形鉄筋(D13)が必要

規定では立上りの補強筋は径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で縦に配置 → 径10mmの異形鉄筋(D10)を20cmの間隔で縦に配置(@200)が必要

底板部分の厚さ  規定では12cm以上 → 計算からは15cm必要

底板の補強筋 規定では径9mm以上の鉄筋を縦横に30cm以下に配置 → 計算からは径13mmの異形鉄筋を縦横に20cm間隔に配置が必要

規定の仕様と同じなのは立上り上下の主筋だけです。

ですが、全く法律違反でも何でもありません。

法律で必要ないとされている構造計算

どうしてこんなことが起こるのでしょうか?

実は、基礎の仕様に関して、許容応力度計算により決めなさいという決まりはありません。耐震等級2や耐震等級3の建物でも上部構造は計算しなければ認められませんが、基礎の許容応力度計算は不要です。

そもそもベタ基礎のメリットとして耐震性能が高くなるとお伝えしました。

しかし、耐震性能等級3(最高値)をとるためにですら「許容応力度計算」は義務付けられていません。より簡単な※壁量計算でもOKです。

※壁量計算・・・壁の量が基準を満たせば良く、位置や強度の指定はありません。対して許容応力度計算は建物を作る部材がどのくらい強いのか、どれくらいの力に耐えられるのか(許容応力)を計算します。

ここに落とし穴があります。

ベタ基礎だから耐震性能が高いのではありません。

しっかりとした構造計算(許容応力度計算)に基づくベタ基礎だから耐震性能が高くなるのです。

一番最初の部分で弊社でもベタ基礎を標準としている、とお伝えしました。

これは命や財産をちゃんと守れる耐震等級3をとるために許容応力度計算に基づくベタ基礎を標準としている、という意味なのです。

シュミレーション動画を用意しました。
等級3の補強した設計が許容応力度計算に基づく設計です。
それでもシュミレーションで弱い部分が判明したので、さらに修正を重ねました。

ぜひ、あなたが建築を依頼しようとしている会社に「何の計算に基づくベタ基礎ですか?」と聞いてみてください。

施主でもできる基礎工事のチェックポイント

1・基礎の仕様はどうやって決めているか確認

  構造計算(許容応力度計算)による仕様 → OK

  ベタ基礎スラブ配筋スパン表による仕様 → OK

  全建総連べた基礎スラブ配筋スパン表による仕様 → OK

  建築会社の告知のみによる仕様 → NG

2・配筋チェック・・・瑕疵保険の検査で検査員が図面と照合してくれる場合はお任せでも大丈夫でしょう

3・アンカーボルトの位置・・・型枠の真ん中にまっすぐ入っているか

4・養生期間が十分とれているか・・・目安で夏で3日。冬で5日。

基礎工事は素人にはわからないものですが、基本の基本だけ頭に入れて、是非現場に足を運んで下さい。施主様が来ると職人さんはうれしいものですし、より丁寧な施工もしてもらえそうな気がする?ような。

土地からお探しの方にはこちらの記事もどうぞ

地盤調査や改良ってどんな方法がある? 地震に強い家を建てたい!

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現場日記
2018.01.20

アンカーボルトにも種類が

住宅の基礎で使用するアンカーボルトとは、

基礎の立上り部分に埋め込み、土台をそれに取付けて、

基礎と上部の建物を緊結する為のものです。

 

長さや太さに何種類かありますが、

一般的なアンカーボルトといえば、

 

基礎

 

このように、先がLの字に曲がっているものでした。

 

最近では、

 

定着長さ

 

こんな形状のものがあります。

 

下の方でアルファベットのWのような形状になっている理由は、

定着長さ

といって、コンクリートに埋まる分の長さにも規定があって、

M12(直径12mmのアンカーボルト)の場合250mm以上コンクリートに

埋まっていなければなりません。

(こちらの現場ではそれ以上にありますが)

 

もしその長さに足らない場合に、このように曲げると定着長さが確保しやすくなります。

 

また、真ん中辺りでクランク状に曲がっているのは、

基礎の中の鉄筋が何本も重なり、その中心付近にアンカーボルトが設置できない場合、

そのクランク形状を利用して、基礎の巾の中心付近にアンカーボルトが

セッティングできるようにする為です。

 

許容応力度計算によって設計された基礎の配筋は、

?鉄筋だらけ!?という感じになる場合もあり、

そんな時にはこのアンカーボルトでないと、うまく設置できません。

 

弊社が家づくりで大切にしていることはこちらからどうぞ

 

 

 

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詳細は以下よりどうぞ

現場日記
2018.01.14

コンクリートの話

今日はコンクリートの話です。

 

コンクリートは何から出来ているかというと、

水・セメント・砂(細骨材)・砂利(粗骨材)

です。

(上記の砂利が入っていないのをモルタルといいます)

 

実際に現場で使用する時にミキサー車で運ばれてくる物を、

建築関係の仕事をしている人は『生コン』といいますが、

正確には、JIS規格で『レディーミクストコンクリート』といいます。

 

これは、整備されたコンクリート製造工場で練り混ぜを完了し、

ミキサー車によってフレッシュな状態で現場に配達されるものを指します。

 

コンクリート製造工場にレディーミクストコンクリートを発注する時、

指示をする数値がいくつかあるのですが、

その前にコンクリートの強さ等に関わりのある言葉を説明します。

 

・水セメント比

まさに水とセメントの重量の比率の事です。

水セメント比が小さい(水の量が少ない)程、コンクリート強度は大きくなります。

 

・スランプ

コンクリートの柔らかさ(打設時の作業のしやすさ)の数値です。

スランプコーンという、底辺直径20?、上部直径10?。高さ30?の円錐状の枠にコンクリートを入れ、

その枠を垂直に引き抜いた時、自重で頂点が下がりますが、

その下がった分の高さをスランプ(?)といいます。

例えば、スランプが18?ならば、コンクリートの頂点は地面から12?という事です。

ですから、スランプの値が多き程柔らかいコンクリートという事になります。

 

水の量が少ない方がコンクリートの強度が上がるので、

スランプは出来る限り小さい方がいいのですが、

住宅の基礎等は鉄筋の量も多く、複雑な形状になる事もある為、

コンクリートが硬いと型枠の中にうまく流れ込まなくなります。

うまく流れ込まないとコンクリートの中に空隙ができ、

本来の強度が出なくなりますので、弊社では18?を標準としています。

 

・呼び強度

材齢(レディーミクストコンクリートを打設してからの期間)4週(28日)の

圧縮強度。

 

 

上記がコンクリートの強さに関わる主なもので、

レディーミクストコンクリートを発注する場合は

21?18?20 を〇〇?

と発注します。

 

最初の【21】は【呼び強度 21N/m?】

次の 【18】は【スランプ 18cm】

最後の【20】は【粗骨材(砂利)の最大寸法】

という事になります。

 

それに加えて、

コンクリートには温度補正というものがあり、

気温が低い場合はその温度に応じて、呼び強度を高くします。

その地域の生コン会社によって決めている場合もありますが、

平均気温が15℃以下なら設計呼び強度+3N/m?

平均気温が8℃以下なら設計呼び強度+6N/m?

というふうに強度を上げます。

 

もちろん、気温が氷点下になるような時はコンクリート工事はできません。

中の水分が凍ってしまって、コンクリートの強度が出なくなるからです。

 

 

 

現場日記
2018.01.13

基礎の中の鉄筋

建物が出来上がってしまえば、

基礎の見える部分は外周の立上り、40?程の部分しか見えません。

 

前々回に紹介した地盤改良工事もそうですが、

今回は、基礎の中に入っている鉄筋を紹介します。

 

ベタ基礎

1名は鉄筋の加工(曲げたり切ったり)をしていて写っていませんが、

4名で鉄筋を組んでくれてました。

 

ベタ基礎

前回のブログの写真に写っていた、大きな溝みたいな部分です。

違う方向から見ると、

 

許容応力度計算

地中梁(ちちゅうばり)

といいます。

 

ベタ基礎の床の部分(ベースといいます)にコンクリートを流し込むと、

全く見えなくなる部分です。

 

許容応力度計算という、その基礎の上に乗る構造物も含めた計算によって、

これだけの基礎が必要ですと出ました。

 

2枚目の写真では、地中梁を境に床部分(ベース)の

鉄筋の間隔が違うのがわかりますでしょうか。

 

これも許容応力度計算によってはじきだされたものです。

 

出来上がってしまえば見えませんが、

非常に重要な部分です。

 

 

 

住まいづくりのヒント集
2017.09.11

基礎配筋|人通口の周りは補強が肝心

基礎のコンクリートの中にはどんな鉄筋が入っているか

基礎配筋

これは、ベタ基礎の外周部の断面図です。

▽GL というのが地盤面なので、基礎が出来上がった時には、コンクリートが150?(15?)巾の【立上り部分】が400?(40?)の高さで見えることになります。

その中の鉄筋はというと、水平方向に入っているのが、上から

D13 直径13?の異形鉄筋

D10 直径13?の異形鉄筋

D13 直径13?の異形鉄筋

D13 直径13?の異形鉄筋

そして垂直方向は

D10 @200 直径10?の異形鉄筋が200?の間隔で入っています。

また、スラブと呼ばれる床の部分は、150?(15?)の厚みのコンクリートの中D13 直径13?の異形鉄筋が碁盤の目のようにタテヨコ200?(20?)の間隔で入っています。

図面に書いてある通りに鉄筋を組んでいくことを『配筋』といいます。

前回、ベタ基礎の外周部の断面図を使い説明しましたが、

基礎配筋

この基礎業者さんは、

注1 捨てコンクリートの上に付けた

注2 墨に合わせて

外周部の立上り部分の鉄筋をまず配置し、

その後内部の土間部分の配筋にかかっています。

一般的なベタ基礎の内部立上り部の構造は、

基礎配筋

上記のようなパターンが多いかと思います。

基礎工事は出来上がってしまえば、中の鉄筋はわからないので、

会社によっては、土間部分の配筋を

D10@300(直径10?の異形鉄筋をタテヨコ300?(30?)に配筋)でしたり、

立上りのコンクリート巾120?(12?)でするところもあります。

それでも同じベタ基礎です。

下の記事もあわせてどうぞ

ベタ基礎だからと安心できない。布基礎との比較

でも、弊社では基礎も許容応力度計算をして、形状・配筋を決定していますので、上記の基礎配筋よりも鉄筋が太くなったり、本数が増えたりします。

許容応力度計算

これは、形状は同じですが、立上り部分の上と下にD13サイズの鉄筋が1本づつ増えているものです。

建物の形状や、力のかかる場所によって内容は全く変わりますので、違うパターンを次回に案内します。

人通口の周りは強度補強する

基礎の内部に必ずと言っていいほどあるのが人通口というものです。

基礎配筋

人通口は、家が出来上がってから、床下の配管を点検したり、メンテナンスができるように、1階の床に設置した床下点検口から、どこの部屋にも行けるように、人が通れる開口の事です。

上記の図面では、巾600?(60?)、高さ350?(35?)の開口が開いています。

この開口を設置する場合は、その部分の強度が弱くなる為、コンクリートを下部に増し、補強筋という鉄筋を配置して、基礎の強度を保ちます。

実際の配筋状況は、

基礎配筋
基礎配筋

許容応力度計算によって、配置される地中梁

大きな部屋、一般的な住宅ではLDKの場合が多いのですが、柱や壁が無い部分には、基礎の立上りは無いのが普通です。

しかし、柱や壁が無い分、その他の部分に荷重がかかる為、その応力が伝わる部分は強度を上げなければなりません。

基礎配筋

上図のように、土間の中に『梁』のように入るので、地中梁といいます。

実際の状況は、

基礎配筋
基礎配筋

一番下の画像、手前から奥まで、基礎の立上りはありませんが、地中梁が3通り入っています。

これも許容応力度計算によって必要になったものです。

と、書いては見ましたがむづかしいですね。

疑問なことがあれば、是非お気軽に問い合わせから質問してください。

メールアドレスだけの記入ですから、サクッとどいうぞ。

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現場日記
2017.09.09

鉄筋

一般の方はあまり目に触れる事のない、鉄筋の話です。

 

基礎のコンクリートの中には、たくさんの鉄筋が入っています。

コンクリートは圧縮強度が高い(押しつぶされる力に対して強い)反面、引張強度が低い(引っ張られるとすぐに崩壊する)ので、その弱点を補う為に、引張強度が高い鉄筋を入れます。

 

基礎は様々な荷重に対して、圧縮荷重にはコンクリートが、引張荷重には鉄筋が対応しているという訳です。

 

以前は『丸鋼』という単純に丸い棒を使ったりしましたが、現在では、コンクリートの付着強度を高める為に表面に凸凹の突起をつけた

 

異形鉄筋(deformed ber)

 

異形鉄筋

 

を使います。

 

表面がつるつるの丸鋼に比べ、定着長さ(鉄筋をつなげる時の重ねあう長さ)が短くなるとか、定着の為の加工が簡素化されるといった利点がある為です。

 

例を挙げると、丸鋼の場合は先端部にフックをつける(抜けにくくするために先を180度曲げる)事が必要でしたが、異形鉄筋の場合は不要になるといった事です。

 

異形鉄筋を図面であらわすと、

 

D10 = 直径10mmの異形鉄筋

D13 = 直径13mmの異形鉄筋

 

このように、Dが異形鉄筋、数字が直径という表記になります。