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私たちについて

三重県との県境にある小さな谷間の村。雄々しく育つ木々の温もり、吹き抜ける清々しい風、山からの滋養をたっぷり含んだ澄んだ川。
周りには山しかない静かなこの地でマルトの歴史が始まりました。
祖父・父から受け継いだ「樹を活かす」仕事。山から原木を伐り出し、製材して里へ出し、また山に植林する「樹を活かす」という、マルトの礎を祖父が造り、父は伐り出した原木をただ売るだけでなく、加工、製品化することでより多くの人々へ樹の良さを伝えていけるよう、住宅の建築材料から輸出用の梱包材など、幅広く樹を活かすことに力を注いできました。
私たち兄弟は物心ついた頃から父に連れられ、樹にかかわる仕事を見たり手伝ったりする中で、知らずしらずのうちに樹の魅力に全員が魅了されたように思います。それぞれ違った視点で樹や建築について学んだのち、私たちは父からマルトを受け継ぎました。
祖父から父、父から私たちの代まで暮らしを支え続けてくれている「我が家」は築100年近くにもなり、スキマ風だったり戸が閉まりにくかったりと、不具合はたくさんありますが、それでもまだまだ現役の「我が家」には、夏には夏の過ごし方だったり、冬には冬の暮らし方があって、家族が「寒い」、「暑い」と言いながら、肩の力を抜いて暮らせる程よい曖昧さがあります。
祖父・父から受け継いだ知恵と技術、兄弟5人が学んだことを活かし、現在は原木から加工、そして仕上げまで一貫した管理の出来る家づくりをしています。樹を育てることから始まり、三代に渡ってこの地で仕事を継いできたことが、お客様の暮らしを守り、地域への貢献にもなり、次の世代へとつながっているのだと感じています。
昔とは住まいを取り巻く環境も大きく変わり、家づくりも様々な工夫や手法が出てきましたが、自然とともにあり、ご近所との関係も近い、昔ながらの日本の暮らしが今なお息づいています。
「住む・暮らす」の本来あるべき姿は、あの谷間にある「我が家」が原点だと私たちは考えています。