豊かな暮らしとは?
多分、これに正解は無いように思います。豊かに感じるポイントはひとそれぞれですよね。 都会の真ん中で便利に暮ら…
今月の21日に工務店業界の集まりで東京・品川へ
忘年会・・・もありますが、もちろん研修ありきの東京です。
窓メーカーさんのショールームに行ったのですが、もしかするとこっちの方が有名かな
そうですファスナーで有名なYKKに行ってきました。
この業界で仕事してるとYKK=窓なんですが、一般の方は、こっちのYKKのイメージの方が強いかもしれませんね
まぁとにかく、窓では1、2を争うメーカーさんなんです。
わざわざ東京まで行く価値あるの?って思われる方もおられるかと思います。
ここ、すごいんです。
エンドユーザーさんでも充分楽しめますが、私たち工務店にとっては、情報もさる事ながら体で体感できる温熱環境の差を知る事ができる大変貴重なショールームです。
私のムダに長いブログを読んで下さってる方、もしくは家の性能をとことん追及されてる方ならご存知かと思いますが、最近の住宅は、断熱性能や気密性能を高くし、効率の良い設備機器を採用した、省エネ性能の高い家造りが求められています。
ゼロエネルギー住宅(ZEH)なんかが今は一番有名ですね。
その断熱性能を上げていく上で非常に重要なのが、実は窓なんですね。もちろん断熱材も重要なのですが、極論言いますと断熱材はどんどん厚みを増したり枚数を増やしていけば、性能は簡単に上がっていきます。
しかし、窓はそう簡単な物ではありません。窓ガラスを何重にも設置すればもちろん性能は上がりますが、重くて動かせない・価格が尋常じゃないぐらい上がるなどの問題がおこりますし、枠になる部分(最近は樹脂が多いですが、アルミがほとんど)からも熱は伝わりますので、ここの断熱方法も重要になります。
壁の断熱材のように分厚くする事で解消するのではなく、スマート感を残しつつ、壁に負けないぐらいの断熱性能を出さなければなりません。
いつもの事ですが、前置きが長くなりました。
という訳でYKKの技術の粋を集めた窓を使った家を体感できるのが、品川の体感ショールームなのです。
人工に作られた大きな冷蔵庫を0℃?5℃の冬の外気温に設定し、そこに5つの家が作ってあり、家の中は暖房有りの部屋と無暖房の部屋が作ってあります。
A:昭和55年基準(初めて国が省エネ基準を造った年)
B:次世代省エネ基準(現行の省エネ基準です。この性能以上ないと今は家が建てられません)
C:YKKオススメ?
D:YKKオススメ?
E:YKKが富山県黒部市前沢に作った、高い断熱性能を持つ家(パッシブハウス)
の内容となっており、各々”住み(入り)比べ”できるようになっております。
※YKKAP発表資料より抜粋
各々がどの程度の性能かという数値がありますが、それではわかりにくいのでわかりやすく説明しますと
A:20年より前に建てた方の家
B:最近建てたけど、ゼロエネとか長期優良住宅ではなかったかな?って家
C:ここ1、2年にゼロエネで建てたわよーって家
D:ゼロエネですけどもっと性能にこだわりましょう!って感じで建てた家
E:北海道の真冬でもエアコン1台で半袖で住める家。
こんな感じでしょうか
とにかくA,Bは寒い! エアコンが稼働している部屋の空気はあったかいですが、床は冷たく、壁も冷たいので、暖かさが感じられません。
C、Dは断熱性能が高いのでエアコンもほとんど動いてませんし、空気も暖かく、床は若干の冷たさを感じる程度。ただこれは床が複合フローリング(一般的なフローリングの事)だった為で、弊社が標準的に採用している杉や桧といった無垢の床ならまったく問題なさそうです。とはいえ、無暖房の部屋はやはり若干の寒さを感じました。
Eは・・・もう何もいう事はありません。暖房の部屋は当然ですが、無暖房でもTシャツで問題なさそうなぐらいです。(17℃だったように記憶してます)但し壁の断熱材の厚みは30センチ越えてますけど。
弊社はCを基本に、D程度の性能を最大として考えております。弊社のある湖東地域の山間部や湖北は雪国ですので、市街地に比べ寒いのですが、それでも北海道や東北のような寒さではありません。
性能とデザインと住み心地とコストのベストバランスを求めていくと、Eまでの性能は無くて良いと考えております。ただ、CとDには体感したからこそわかった違いがありました。 どこが違うかは、当分企業秘密にして下さい(ブログの小出しのネタにもなりますので)
「行かなきゃわかんない」 「行ったからこそわかった」 今回の貴重な体験を、うちの家造りにつなげていくぞ!と、サラリーマンの聖地:新橋にて呑みながら(呑まれながら?)決意しておりましたとさ。
めでたしめでたし。